君には聴こえる
「結婚しよう」
彼の口から零れ落ちたのは予想通りの音と、予想通りの言葉。
出会ってから六年。
私が大学を卒業して、就職して落ち着くまで、彼はずいぶん待っていてくれたと思う。
だけど決して焦りなどはなく、充実した六年間だった。一緒に時間を過ごすことができる幸せを、隣に居てくれる幸せを、いつも感じて。
年を重ねて、クリスマスを重ねる毎に私たちの気持ちは深まっていくばかり。
きっと、これからも……
「これからは、君だけのために歌わせて」
彼が告げてくれた言葉は、私にとって最高のプレゼント。
ー 完 ー