不良狼の一途な溺愛【番外編】*Sweet・Christmas*
「は、早かったね…!」
「柚に少しでも早く会いたかったから。本当は、午前中に迎えに来たかったぐらいなんだぜ?」
蓮は、私の頬に触れる。
それだけで、瞬く間に顔が熱を帯びていくのを感じた。
「それじゃあ、行くか!」
「う、うん…そうだね。ちょっと待ってて!荷物、持って来るから…。」
その場から離れて、キッチンへと向かう。
ブッシュ・ド・ノエルの入った白い箱を紙袋に入れて、夕食の食材が入っているスーパーの袋と一緒に手に持つ。
そして、再び玄関に戻って来ると、お母さんがリビングからひょっこり顔を出した。
「柚、行ってらっしゃい!蓮君、柚をよろしくね!」
「はい。」
そう言って、律儀にお辞儀をした蓮。
手を振るお母さんに見送られ、私たちは外に出た。
風が冷たくて、少し曇り始めている空。
なんだか、雪が降りそう…。
空を見上げていると、蓮が私の持っていたスーパーの袋とケーキの入った紙袋を蓮がヒョイッと手から奪った。