不良狼の一途な溺愛【番外編】*Sweet・Christmas*
「ところで、柚。このあと、時間…空いてるか?」
蓮に聞かれて、コクンと頷く。
「何も予定はないから大丈夫。」
「それなら、今日は寄り道して帰るか…!」
「うん!」
私は、声を弾ませた。
蓮の“寄り道”は、放課後デートのこと。
こういう日は、蓮と一緒にいられる時間が少し長くなるから好き。
帰り支度を済ませると、蓮に手を引かれて教室を出た。
廊下を歩くと、たくさんの生徒の視線が蓮や私に注がれる。
こんな日々の光景にも慣れてきたけれど、校内で手を繋ぐのは、やっぱり恥ずかしい。
“せめて校舎を出てからにしようよ”と何回か蓮にお願いしたけど、その度に却下されてしまうので、もう諦めることにした。
強引な蓮には、絶対に勝てない。