不良狼の一途な溺愛【番外編】*Sweet・Christmas*
二人で和やかに会話しているうちに、気付けば蓮の家に着いていた。
中に入り、リビングへと通される。
すると、窓辺のソファーの傍に、大きな木があるのが目に映った。
私の身長と殆ど同じぐらいだろうか…。
特に飾り付けはされてないけど、あの木って…。
「ね、ねぇ…蓮。あれ、もしかして…クリスマスツリー…?」
「あ、ああ。」
指差して訊ねると、蓮は苦笑いしながら頷く。
「実はさ、柚と一緒にクリスマスを過ごすことを話したら、数日後におふくろが送って来たんだよ。木だけじゃなくて、飾りつけるモノも同封して。」
蓮に手を引かれて、木の傍まで来ると、そこにはツリーに飾るものが色々と入っている箱が置かれていた。
「わぁ!たくさんあるねっ!これ、早速…飾りつけしようよ!」
「ちょっと待て。その前に…」
「あっ、そうだ!その前に、ケーキと夕食の材料…冷蔵庫に入れて置かなくちゃ!蓮、冷蔵庫…借りてもいい?」
そうそう、まずは…それが先よね。
蓮の手からケーキの入った紙袋と夕食の材料の入ったスーパーの袋を受け取ろうとしたけれど…
蓮は、それを私には渡さず、近くにあるソファーの上に置く。
その行動にキョトンとしていると、蓮にギュッと抱き締められた。