不良狼の一途な溺愛【番外編】*Sweet・Christmas*
「さっきから、うるせぇな。インターホン、何度も鳴らしてんじゃねぇよ………って、げっ…兄貴。」
思いっきり怒鳴りつけてやろうと言葉を発した俺の目に映ったのは…
ビックリしている兄貴と美咲さんだった。
「蓮、お前…やけに気が立ってるな。どうしたんだよ。」
「当たり前だろ。せっかく柚と楽しく過ごしてたところだったのに、邪魔が入ったんだから。」
「…ということは、柚ちゃん…お前のところに来てくれてるんだな!」
「は?どういう意味だよ。」
眉間にシワを寄せると、兄貴の隣で話を聞いていた美咲さんがニコッと微笑んだ。
「響ってば、蓮が柚ちゃんに見捨てられて、クリスマスイブを一人で過ごしてるかもしれない…って心配してたのよ。だからちょっと様子を見るために立ち寄ろう…って話になってね。」
「は…?」
兄貴をジロリと睨むと、アハハ…と気まずそうに笑う表情が目に映った。
ったく、おふくろといい兄貴といい、なんで俺が柚に見捨てられる…って思うんだよ…。
二人揃って、縁起でもねぇこと言いやがって…。
「ハッキリ言っておくけど、俺は柚に見捨てられてねぇ。かなりうまくいってるから心配無用だ。」
兄貴に断言していると、キッチンの方から、こちらに駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。