不良狼の一途な溺愛【番外編】*Sweet・Christmas*
「柚、そろそろクリスマスツリー…見に行くか?」
「うん!」
声を弾ませる柚に微笑みながら、抱きしめていた手をゆっくり離す。
二人で出掛ける支度をしていると、突然…柚が“あっ!”と声を発した。
「どうした?」
「あ、あの…今のうちに渡そうかなって思って。」
「えっ?」
渡す?
一体、何のことだろうか?
少し首を傾げると、柚は持って来ていた自分のバッグから白いリボンのついた緑色の袋を取り出す。
そして、俺の目の前に差し出した。
「蓮、これ…クリスマスプレゼント…。」
「えっ、俺に…?」
「うん…。蓮は、私が居れば他に欲しいものは無い…って言ってくれたけど、何かプレゼントしたくて用意しちゃった…。いつも、私のことを想って、守ってくれる…大好きな蓮に…。」
少し頬を赤くしながら笑う柚が可愛くて、ドクン…と大きく心臓が跳ねるのを感じた。