不良狼の一途な溺愛【番外編】*Sweet・Christmas*
「蓮、欲しいもの…ある?」
「柚。」
「えっ?」
「柚が欲しい。」
フッと口元を緩めながら見つめる蓮に、途端に頬が熱くなる。
手に持っていたクレープを危うく落としそうになってしまった。
「も、もう…。蓮ってば、何言ってるのよ…。」
「柚が聞いてきたからだろ?俺は素直に答えたまでだ。」
「わ、私が聞いたのは…その……欲しい商品とか、そういう意味で……」
「俺は、柚が傍に居てくれるだけでいい。他には何もいらねぇ。」
ドキンッと跳ねる心臓。
おそらく、頬だけじゃなくて耳まで真っ赤だ。
本当に、蓮は気持ちの表現がストレート過ぎるよ…。
話をしながらクレープを食べようと思っていたのに、恥ずかしさと照れくささで何も言えなくなった私。
結局、熱くなった顔を俯けながら、黙々とクレープを食べた。