平凡な憂の非日常
しばし沈黙の後、化け猫が口を開いた。
「ゴメンな、憂。
ウチな嬉しかってん。
メッチャ落ち込んでる時、憂に声かけられて
部屋にまで入れてくれて…。
せやから、渡辺さんが部屋に入ってきた時も最初はビックリしたんよ。
でも、憂の知り合いやと思ったから
頑張ったつもりやってん…。
それが、憂にとって迷惑やったみたいやし
もう誰にも迷惑かけたないし、ウチは出てくよ」
そう言うと、バックを持って玄関に向かった。
僕は渡辺さんに目線を移すと渡辺さんは
僕を、じーっと見つめていた。
僕は、靴を履いた自称リナに話し出した
「ちょっと、言い過ぎたかもしれないな…。
君が、そんな風に考えているとは思わなかったから。
………。
それに僕は、まだ君が泣いていた訳を聞いていないし
もうちょっと話さないか?」
自称リナは、ゆっくり振り向いた。
「ホンマに~~!
ありがとう。
じゃ、憂の許可も出たんで、なべさんも一緒に朝まで飲むで~!」