平凡な憂の非日常

「憂でも、こんな時間に、ゴミ出ししたりするんや?」

アパートのすぐ横がゴミ収集所で

僕がネットの中にゴミを入れると

化け猫がそう声をかけてきた。

「まぁ、たまにだけどね。

僕でもって言うのは?」

「なんか憂って真面目そうやから

時間守って出してると思ったわ。」

「僕だって、夜にゴミ出しぐらいしてるよ。」

「そうなんや~」

珍しくそれ以上喋らない化け猫。

ゴミ袋が擦れて

ガサゴソという音が妙に大きく聞こえた。

「さぁ、部屋に戻ろうか」

ゴミ出しが終わったので、僕が声をかけると化け猫は

階段を一段上って振り向いた。

「あんな~憂。

ウチと付き合わへん?」

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