平凡な憂の非日常
「誰が化け猫やねん!
こんな美人が雨の中、独り立ってたら
声かけるんが常識やろ?」
………。
「大丈夫ですか?」
「こんな夜中に、こんな美人が独り立ってたら
なんかあったに決まってるやろ?
察しろや!」
僕は、酔っ払いに絡まれてるだけだと思い
無視して帰ることにした。
てくてくてく。
「あっ!ちょい待ち!
どこ行くねん!」
てくてくてく。
「ちょっと言い過ぎたんは謝るからなぁ待ってや~」
そう言いながら、女はついて来た。
てくてくてく。
「自分、歩くの速いな~」
てくてくてく。
「この辺に住んでるんや?」
てくてくてく。
「ウチみたいな子をどこまで連れてく気やねん?」
てくてくてく。