平凡な憂の非日常
「売り言葉に買い言葉とはいえ
行く当てもないのに出てくなんて言うなよ」
「そんな!!
じゃあ憂は、あんな酷い事言われても、
すいません住むとこないんで
もう少し居させてください。
って頭下げて言えってか?
ウチには、そんなことできません!
そんなんするくらいやったら
そのへんで野たれ死んだるわ!」
「じゃあ、野たれ死ぬ方向で」
「ひぃぃぃ!
お代官様、それだけはご勘弁を!!
どうか御慈悲を!!」
そう言いながら
僕の足にしがみついてきたリナ。
「僕に、慈悲なんてものはございません」
そう言いながら
リナを振り払おうと足を動かす僕の視界に
太ももまでずれたスカートの下に
何ヶ所もがあるのが見えた。
(あんな太ももの方まで痣が在る・・・。
そりゃあ、すぐにでも出て行きたくなるか・・・)