平凡な憂の非日常

「あかんわ~~なべさん。

ネコの鳴き声、もう少し高い感じでやらんと」

「すまん、すまん。

体重8キロを超えるネコの

運動なんてするもんかって

気持ちを表現したつもりだったんだがの」

「あっ、でもでもそれやったら少し似てたかも?」

「そうだろ、そうだろう。

昔はよく犯人に尾行が、ばれたときに使ってたんだからの。

ふぉふぉふぉ」

そしてタンスの中から普通に出てきて

冷蔵庫からビールを取ってきて

リナの横にちょこんと座った。

「あの~渡辺さん。

僕に何か言うこととかあるんじゃないですかね?」

僕は努めて静かに渡辺さんに言った。

渡辺さんは、リナとアイコンタクトを取ると、

「「ハッピーバースデー」」

二人はそう言うと笑い出した。

「あはははは」

「ぶはははは」

(僕の問いに答えないのにも腹立つが

この二人だと笑い声だけでムカついてくるな)

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