平凡な憂の非日常
バン!!
テーブルを強く叩いて笑いを止めて
もう一度同じ質問を聞いてみた。
「渡辺さん!
僕に何か言うこととかあるんじゃないですかね?」
真顔で僕は、渡辺さんの返答を待った。
渡辺さんは、あごの無精ひげを触りながら
「すまないね、憂君。
悪いとは思っていたんだが、つい流れで・・・」
「流れ?」
僕が聞き返すとリナが
「ちゃうねん、全部ウチが悪いねん。
なべさんに荷物運び手伝ってもらったから
一緒に飲みましょうって言うたんやけど
なべさんが憂が嫌がるかもしれへんって言うてくるから
ほなタンスの中で待っててや。
ってなったんよ」
「普通は、呼ばれるまで
自分の部屋で待ってるんじゃないのか?」
「でもでも、大家さんの許可まで取ってくれたし
待たせるのもなんやから・・・」
「大家さんの許可取った?」
淡々と二人を怒るはずが、思わず声が裏返った。