平凡な憂の非日常

とりあえず、立ち上がり見下ろされる状況を変えて

「嘘つけ!!

思いっきり目が血走ってたぞ!

怖くて黙ってたんだよ!」

いまだぶりっ子を続けるリナに反撃を開始した。

「大丈夫、大丈夫やって。

なにも獲って喰おうとしてるんちゃうんやから。

みんな最初は怖いもんやって。」

「お前は、喰おうっていうくらい怖い顔してたっつーの!」

(つーか、なんて言い草だ。

普通男が女に言うようなセリフじゃないのか?)

「えぇ~、一大決心した乙女の顔を怖いやなんて、ひどいやんか~?」

(そら、ひどい顔してたよ)

僕があきれた感じでリナを見ていると

「せっかく邪魔者がいーひんくなって

憂がオクテって聞いてたから勇気だして頑張ったのに

ウチの頑張りは空回りっていうんやね。」

リナは、僕に背を向けいじけだした。

ここはいつものリナの戦法だと思った僕は少し意地悪に

「僕の気持ちを考えてなかったし

空回りと言えば空回りだったかもね」

わざと突き放すようなことを言った。

・・・・・・

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