平凡な憂の非日常

・・・・・・

ひっく

背を向けてたので表情が分からなかったが

リナの肩が小さく震えてすすり泣くような嗚咽が聞こえてきた。

「・・・リナ?」

まさか泣くとは思わなかった僕は、リナに声をかけた。

「空回りやったんやね・・・

ウチの気持ちはいっつも空回りやな・・・

まさかアイツと同じこと憂に言われるとは思わんかったわ・・・」

ゆっくりと小さく掠れるようにつぶやいた。

僕はバカだ。

ここに住んでいいと言ったときのリナ

ホントに心底喜んでたのに。

あんな雨の日に、どこに行く当てもなく立ち尽くしていたリナ。

きっと絶望の淵にいたんだと思う。

変な形で出逢ったけれど

一緒に住んでて楽しかったリナに。

あんなに足を痣だらけにしたようなヤツと

同じ事を言ってしまったなんて・・・

僕は・・・

気づけば、小刻みに揺れるリナを後ろから抱きしめていた。

一瞬、びくっと体が強張るリナ。

「憂・・・?」

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