平凡な憂の非日常

「いた~、って憂見たやろ~?」

スカートを太ももの辺りで押さえるリナに

「見てないよ」

と言うものの、足にある痣には目がいってしまう。

するとリナが

「んっ?

ああウチ、よう足ぶつけんねん。

なんや知らんけど何もないとこでコケたりするしな。」

「ドジだな~・・・って、ちょっと待て。

その足の痣は彼氏のDVじゃないのか?」

「DV?

そんなんちゃうよ。

そんなんやられるんやったらすぐにでも別れるっちゅうに」

・・・・・・・・・・

頭が真っ白になりそうだ。

「えっ?

その太ももの痣もコケてできたの?」

自分の勘違いを認めたくない僕。

「そんなとこまで見えたんか~。

これはな~、ひっさびさに自転車乗ったら

歩道と道路の段差でコケてペダルが思いっきり当たってん。

やっぱウチは自転車に乗ったアカンな~」

・・・・・・・・・・

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