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｢あ…っﾀﾞﾒ…だよ…貴司…｡｣

…会社の書類倉庫でｷｽされた｡

貴司は恋人じゃない｡
同期の営業部で…仲良しで…
なんていうか…友達みたいで

たまにこんな風にｷｽをする｡

営業部は外出する時が多いから
内勤の時以外はこんな風に
二人で逢ったりもしない関係｡

それなりに背も高くて
甘い顔をしている貴司は
女子社員からも人気がある｡

私が所属する総務部でも
先輩､後輩､一人ずつの女性から
ｶﾜｲｲ､ｶｯｺｲｲ､等と言われている｡

貴司もｲﾔじゃないみたいで
愛想を振りまいていたりする｡

そんな貴司には恋人は居ない
らしいと､後輩が言っていた｡

不思議な魅力を使って
きっと…こんなことしてるのは
私だけじゃないだろう｡

それが悲しいとか悔しいもない｡

私には…大好きな男性が居る｡