chocolate
貴司と繋いでいた手が
先程より…ギュッと…強く繋がれて
私はただ、貴司をみていた。

「アイツの奥サン…先生は…
…俺の初恋の女性なんだ。」

…そういえば…貴司の彼女は
ずっと年上だと言っていた。

クリスマスイヴも今日のバレンタインデーも
恋人同士が過ごす時間に何故か
貴司は私と居た…。

「高校受験の時の家庭教師で…。」

ずっと…胸が痛かったのは、
貴司の方なのかもしれない。

ぎゅっと強く手を繋がれたまま
とても冷静に…話を聞いていた。

「21歳の大学生にとったら
…15歳の俺に恋されてるとか…。
全然…気付かれてなかった。」

…貴司はこんな時でも
女性が放っておけないような
甘い顔をしている。

そっと…抱きしめたくなる。

「でも、俺があの時の先生と同じ…
大学3年の時にやっと…
付き合ってもらえたんだ。」
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