chocolate
021
私と入社が一緒の貴司とは
新人研修の日に初めて逢って
同じ班に分けられたのが
話したきっかけだった。

営業部と総務部という…部署は
違っても、入社前の1カ月の研修は
同じように取り組んでいた。

甘い顔の貴司は目立っていて
同期の女子社員からも、キラキラした
憧れの目で観られていた。

それでも仕事に真摯に取り組んで
研修期間があけて初めての年の
営業部の新人賞を…
獲る勢いだったのを覚えている。

「入社してしばらくして…俺が
ちゃんと仕事頑張って…先生と…
結婚したいなって思ってた。」

でも貴司は営業部の新人賞を
獲れなかったけれど
営業成績はいつもトップクラスで

やっぱり他部署の女子社員が
キラキラした目で貴司を観ていたのを
私はずっと知っていた。

「それで…俺が25歳の誕生日に
先生にプロポーズしたんだ。

…そしたら…ごめんねって
ただ…泣かれた…。」
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