chocolate
022
貴司の唇が…私の耳や首筋を
優しく這っていく。

今頃課長も奥サンも…。

そう思うと胸が痛くて
貴司にしがみついてしまう。
きっと貴司も苦しんでいて…。

やっぱり間違っていても
こうやってでしか埋められない
何かがあるのかもしれない。

「亜希…。」

貴司が私の名前を呼ぶ先に
貴司の好きな先生が居ても
いいやと思ってしまう。

…静かに目を覚ますと
ソファーに座って…私は貴司と
毛布にくるまっていた。

貴司がかけてくれて、
一緒にくるまったのだろう。

私を包むみたいに、
貴司と毛布がくるまっていた。

時計を確認したら夜中だった。

貴司の携帯がチカチカしていた。
何かを受信しているみたいな…。

「ん…?どうした?亜希。」
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