chocolate
003
総務部には3名の女性社員が居る。
先輩と後輩と私。

年齢少しずつ離れているからか
付かず離れずの距離が丁度いい。

男性の好みも違う。
それもそれで距離が丁度いい。

貴司はいつも甘い顔してニコニコして
愛想を振りまいているから
同期入社で気付いていたけれど
ほかの部署でも人気はある。

中西課長も慕われている。
営業部の課長、ということだから
厳しい面もあるけれど…とても
優しい男性なんだと思う。

休憩室兼給湯室にある
自動販売機の前に居ると
ふと貴司と中西課長が浮かんだ。

「あ。佐久真…。何か飲む?」

思い浮かべていた男性が
目の前に居ると判断するのに
少し時間がかかってしまった。

「中西課長、お疲れ様です。
…ご馳走してくださるんですか?」

反射して笑顔を作ってしまう。

ドキドキしてカフェオレを指差した。
< 11 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop