chocolate
貴司の唇のおいしさは…
貴司の好きな女性も知っていて

課長の唇も知っていて…

…どんな女性なんだろう。

課長が選ぶ女性だから、きっと
素敵な女性には間違いないけど。

たくさんの優しいキスのあと
シャワーを浴びて、コーヒーを飲んだ。
ふたりで目を合わせながら。

貴司の白いシャツを貸してもらって
乾きかけの私の少し長い髪が
太陽に反射してキラキラしている。

今日はとてもお天気だった。

おいしいコーヒーが沁みる。

自然に…窓の方に歩いてく…
貴司の背中がキラキラしている。
白いシャツの部屋着が似合ってる。

「俺…卒業できるかなぁ。
15歳の時から好きな先生から。」

窓の向こうには何が観えるか
わからないけれど、きっと…
とても綺麗な景色を観ながら
私に話しているみたいだった。

「亜希、…俺ら…付き合おうか。」
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