chocolate
024
何度目の貴司とのデートだろう。

とてもお天気な休日で…
青い空が眩しかった。

映画観に行って、ランチ食べて
一緒に買い物に行って…なんて
デートの定番を貴司と過ごした。

少し前に歩く貴司が
私に振りかえって笑っていた。

「亜希、営業の新入くんに
人気あるみたいだな。」

「なにそれ。貴司の…ヤキモチ?」

貴司の着ていたチェックのシャツの裾を
つまんでみた。

「亜希に惹かれる理由は
俺でもなんとなく分かるから。」

少し真剣だった顔にドキリとした。

信号待ちの交差点で
何も言わないで立ち止まって
私はただ貴司のシャツの裾を
持ったままだった。

私もみんなに人気のある貴司の
理由が分かる気がした。

周りの人たち動き出したのは
信号が変ったからだった。
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