chocolate
そう言えば、私は…
年上の男性が好きだった。

無口で責任感があって
優しく包んでくれるような

スマートで紳士な男性に憧れる。

課長は、そんな男性だった。

小さな休憩室兼給湯室には
ふたりきりの時間が流れて
ふたりきりの会話も流れていた。

あまり長居はできないことも
なんとなくわかっていたけれど
ニコニコ話してしまう。

「中西課長って、
私からみたら不思議な男性です。」

一口飲むたび温まるカフェオレと
一口飲んでニコッっと笑った。

中西課長の表情は変わらない。

「不思議かぁ。どの辺りが?」

「…クールで、スマートで賢くて…
みんなは気付いてるのかな。」

私だけが知っている魅力を
どうか、奥サンにも気付かれて…
いませんように…と
静かに…祈ってしまう。
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