chocolate
何か手伝いできることなんて
総務の私には無いだろう。
このまま…帰ろう。

少し逢えただけで…嬉しい。

「中西課長、ブラックのコーヒー、
飲みすぎないでくださいね。」

「ありがとう。」

「じゃぁ…失礼します。」

カフェオレの方がよかったかなぁ。
課長に背中を向けながら、ふと
飲み物の選択について反省した。

「佐久真っ。」

中西課長の声は心地いい。
声の主に体を向けると
中西課長も席を立って、パソコンを
閉じようとしていた。

「俺も、もう帰るから…
送ってくよ。コーヒーのお礼も。
…夜遅いし危ないだろ。」

どうしよう。

気を遣わせてしまっただろうか。
私は…どうしたらいいだろう。

「大丈夫ですよ。家は駅からすぐで
…どうしましょう。すみません。」
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