chocolate
エレベーターの小さな個室で
二人きりで…困る。

斜め後ろから、警備員サンを
気にする中西課長と
私の心は違うことを考えている。

息が少し苦しい。

地下の駐車場に着いてすぐ、
中西課長は車を取りに行かれた。

左を観ると…先程、私と貴司が
キスをし続けていた場所があって
喉が渇いていたのに、何かを
ゴクリと飲み込んだ。

しばらくすると真っ黒の車が
私の側で止まった。

私は助手席の方に歩いて…
ドアをあけるのを躊躇った。

ここはきっと…奥サンも座る。

初めて…中西課長の車に乗る。

車のコト詳しくないけれど…
少し高級車に見えた。
課長だから、当り前…なのかな。

「失礼します。」

静かに助手席を開けて
私は…腰を下ろした。
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