chocolate
「あと5分…たくさんキスしよ…な。」

こんな言葉を簡単にさらりと言う
だから…モテるんだろうなぁと
甘い貴司をみて思う。

貴司の唇も舌も柔らかくて…
キスだけで、くらくらしてしまう。

書類倉庫の壁の背中の冷たさとか
感じないくらい熱くなる。

窓のない空間とか暗さとか
書類ロッカーの無機質な並びも
くらくらして歪んでみえて…

倒れそうになる私の手を
貴司は支えてくれていた。

私の好きな男性のことも
貴司は聞いても何も言わず
流されないで聞いてくれている。

きっと…軽蔑される恋。

キスをしながら貴司にくっついて
しがみついてしまった。

貴司の胸はいつも温かい。
なかも、そとも。

私の好きな男性は
貴司の…営業部の上司で…
奥サンが居るひとだった。
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