chocolate
008
「24日、忘年会しようか。」

貴司の言葉に止まってしまう。
書類倉庫で二人で居た時に
貴司にくっついたまま言われた。

思わず貴司から離れて
目を丸くなっていただろう。

「…予定あるのか?」

私が返事をしないから
貴司がさらりと聞いてきた。

「無いけど…仕事あるから…。
ただでさえ稼働日少ないのに
年末は総務部は忙しいの。毎年。」

そう言えば、中西課長は
奥サンと過ごすんだろう。
いつもは遅くまでしている
仕事を早く切り上げて…。

夫婦だから当たり前だよ。

「ココで待ってるよ。書類倉庫で。
…亜希のサンタクロース姿、観せて。」

ニコッと笑いながら言う貴司を
ただただ見つめていた。

…なんだか戻れなくなっている。

…そうやって24日、クリスマスイブも…
貴司と過ごしたりしてしまった。
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