chocolate
中西課長がさらりと
名刺を渡してくれた。

総務部に居るから
社員の個人情報を知ってるし
名刺の作成も行っているから
中西課長の携帯も調べられる。

でも、そういうのをしたくなくて
今夜の忘年会で連絡先を聞こうと
思っていたのに…

携帯電話の番号とメールアドレスが…
走り書きされていた。

きっと私に渡すものではなく
お客様に渡す予定だったものが
私の手元に来てしまった。

会議室へ向かう中西課長をみて
観えなくなった頃、
キーボックスを覗いた。

書類倉庫の鍵がなかった。

慌ててエレベーターで地下まで下りて
まさかと思ったけれど…
ドアを開けると

貴司は寝ていた。
もう…。

「貴司…、貴司…?」

ゆすって急いで貴司を起こした。
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