chocolate
009
忘年会の会場までは
会社から徒歩で行ける距離で
総務部の先輩と後輩と3人で
行こうとしたら…

貴司に呼びとめられた。

制服から私服に着替えると
すっかり仕事モードは抜ける。

先輩と後輩は手を振って
先に行ってくれた。

「さっきはゴメン。うとうとしてて。
亜希に見つけてもらわなかったら
どうなってただろうって思うよ。」

反省している様子なのも分かるし
働き詰めだったのも知ってる。

よしよし。

「怒られたでしょ?中西課長に。」
私は悪戯っぽく笑ってみせた。

貴司が苦笑いを浮かべている。

「これからだよ。行くぞ。南野。」
後ろから中西課長の声がして
貴司の腕を掴んで歩きだした。

「佐久真も行くだろ?忘年会。」
みんなが忘年会の会場に向かう。

「…はい。」
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