chocolate
長い髪が食事の
邪魔にならないように
ハーフアップを軽くして、ピンで留めて
ゆっくり息を吐いた。

「佐久真ってお酒強いの?」

中西課長から声をかけてくれた。
…休憩室兼給湯室で話すのとは
少し…違う気もするし
より、ドキドキしてしまう。

「弱いですけど…好きです。」

「そっかぁ。俺、車なんだ。帰り。
飲めないから…俺が隣じゃ
楽しくないかもな。」

車置いて帰らないのは
奥サンのせいかなぁ。
…明日から年末年始休暇だし
二人でどこかに…出かけるよね。

「私…中西課長と話すの、
楽しいですよ。」

向こうの方から声がして
二人で声のする方に目をやった。

貴司の席の横を取り合ってる…
女性社員の声だった。
違う部署の年下の後輩達だった。

なんとなく、二人で視線を戻して
私と課長は、二人でクスリと笑った。
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