chocolate

書類倉庫は地下の1階にある｡

私の働く会社は小さな自社ﾋﾞﾙで
全部署が一つのﾋﾞﾙにある｡

書類倉庫と駐車場が同じﾌﾛｱで
総務部と営業部も同じﾌﾛｱだった｡

一緒に上がるのは不自然…
なのかもしれないけれど

ｺｿｺｿするのも変だと話して
いつも貴司とは一緒に…
ｴﾚﾍﾞｰﾀｰで上がる｡

仲のいい同期同士で
ﾗﾝﾁを一緒にしたり､休憩したり
入社したときから貴司とは…
…そういう関係だったから｡

それだけでも貴司のﾌｧﾝには
羨ましがられているけれど｡

｢…亜希も俺のﾌｧﾝだろ?｣
少し冗談交じりで言いながら
少し真剣な顔で貴司が言った｡

地下の書類倉庫には鍵があって
ﾄﾞｱをしめてﾎﾟｹｯﾄに入れた手を
貴司に握られてしまっていた｡

自然にまた…ｷｽをした｡

自然に離れて…自然に戻って…
ｴﾚﾍﾞｰﾀｰに乗った｡