chocolate
メニューをお店の方へ返す手も
スマートで素敵だなぁと思う。

ゆっくりと、お水を飲んだ。

私は、とても課長が好きなのかも。
でも、課長には奥サンが居る。

お子様には…恵まれてない。

総務部に居るから、知ってしまう。

だからこそ、奥サンとの絆というか
そういう…目に観えないものが
固いように思えてしまう。

そして、奥サンのことを
大事に…大事に想われている。

「どうして…
誘ってくださったんですか?」

「佐久真が仕事頑張ってるから。
いつもお世話になってるから。」

私は素直な後輩を演じて笑った。

本当は仕事の合間に…貴司と…。
なんて絶対言えないけれど。

窓側の席を予約したのも、
隠れてコソコソするのもイヤだったから
堂々と逢おうと思った。

私達は、ただの、上司と部下だ。
< 57 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop