chocolate
仕事の話になっても…
時々貴司の話題が出るのが
なんだか気まづくなるけれど

それなりに受け答えもできる。

貴司は営業部でも優秀らしい。
要領がいいだけにも観えるけれど
要領が良いのも取り柄だと
中西課長は笑った。

目の前の食事がどんどんと
胃のなかに入ってく。

おいしくて優しくて
温かくて…固くて柔らかい。

何を話したのかも忘れるほど
他愛のないことを話していた。

デザートのチョコレイトケーキが
中西課長へ運ばれるとそれも
ペロリと食べられた。

私の目の前のレアチーズケーキは
まだ残っていた。

「ゆっくり食べていいからな。」
そう言いながら…
ホットコーヒーを飲みながら私の…
レアチーズケーキをじっと見ていた。

「少し…食べますか?」

「いいのか?」
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