chocolate
課長の言うおねえちゃん、に
くすぐったくなってしまう。

「佐久真…そろそろ、送ってくよ。」

…ゆっくりしている時間も
あっという間に過ぎてしまう。
課長と居たら時間が早くなる。

送って頂くコト、遠慮したけれど
でも、もう少しだけ一緒に居たい。

もう少し、もう少し。
車の中で…二人きりで…。

車の助手席から観る景色も
たくさんの光が流れてく。

冬の空は空気が澄んでいるようで
光が綺麗に目に入ってくる。

あ、そうだ…と私は思った。

「課長、そこを、右に曲がって…
あの坂を上ってください。」

住宅地へ続くある道を指した。

「坂の…この信号を右です。
課長…ここで停めてください。」

駅から離れて行くけれど…
静かで夜景の綺麗な場所へ

中西課長を連れてきた。
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