chocolate
「課長ぉ…っ。」

唇がまた重なった。
吸いつくみたいに、ぴったり…。

ずっと憧れだった課長に、私は
キスをされている…。

離れても…離れても、また。
…何かがとろけていく…。

課長は何度も優しくキスをくれた。

「…ゴメン。」

とても静かに、でもきちんと
聞こえる声で言われた。
そのまま中西課長が優しく…
私を元の場所へ戻した。

戻したと言っても助手席に
居たままだけれど。

「私こそ、すみません…。
…帰りましょうか。
遅い時間になっちゃいますね。」

目に飛び込んできた夜景は
相変わらず綺麗だった。

シートベルトをまた付けて…
静かに車が動きだした頃…

中西課長に手を握られていた。
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