chocolate
「亜希…?」

涙が溢れていたのに
呼ばれた名前に驚いた。
課長に…初めて名前で呼ばれた。

「亜希には…俺…、
そんなに酷いやつにみえる…?」

私は静かに首を横に振った。

そっと中西課長の目を観たら
とても…愛しい笑顔をだった。

あぁ、もう、大好きだ…。

「中西課長は…ズルイです…。」

同時に涙があふれていた。
心と同じことを発しても
私は涙が出てしまう…。

「そうかぁ。俺、ズルイかぁ。」

そういってまた愛しい笑顔で
私を見つめてくださっていた。

そっと髪に触れる手があった。

…キスしたくなる。

私は静かに自分から…
課長の唇に、唇を重ねてしまった。

柔らかくて…吸いつく。
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