chocolate
本屋を出て、路地を入った
一方通行の道路で待っていたら
私を通りすぎて車が止まった。

中西課長の車だった。

「お疲れ様です。」

私はドアを開けてコートを脱いで
助手席に潜り込んだ。

「お疲れ様。」

優しく微笑む課長にキュンとなる。

近くで観てもカッコイイ。
長い手足も素敵に観える。

ドキドキして前を向いていたら
そっと手を握ってくださった。

課長の手が温かい。
このまま包まれていたくなる。

「今日、仕事中…亜希のコト
目で追ってしまったよ。」

私は驚いて、課長を観てしまった。

課長が私を観てくれるなんて…
あるんだなぁと思ってしまう。

「亜希って結構ニコニコ笑ってて
クールな女性なんだと思ってたけど
違うんだな。」
< 78 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop