chocolate
「キス…したいです…。」

中西課長はよく、私に
この言葉を言わせていた。

私が何かを欲するような目と
表情をじっと見られている。

私は濡れた唇を開けて
舌を出して…求める。

中西課長はその表情をみて
私を寄せて…優しく…くれる。

私は…やっぱり…もう
虜になっていた。

「亜希、最近なんか…
色っぽくなってない?」

地下の書類倉庫で
本当に、書類を探していたら
貴司に声をかけられた。

「そうかなぁ。
貴司に褒められると嬉しいけど。」

「冗談で言ってないけどね。」

真剣な目をして書類の箱を
探している私に…貴司は
寄ってこなかった。

「ねぇ…貴司は彼女と…
うまくいってるの…?」
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