chocolate
振った手をゆっくり握った。

ちょっと溜息が出そうだった
けれど…飲み込んで
仕事に取り掛かることにした。

課長も、悩んでるのかな。

重荷にはなりたくないなぁ。

仕事は思うようにすすんで
時間ができると余計なことを
考えてしまう。

気分転換に…
貴司に缶コーヒーを持っていった。

「ありがとう。」

貴司は驚いて私を観たけれど
チラッと課長を観て、私を観た。

「ねぇ。今度、豪華ランチご馳走して。」
課長は外出されている。
さっき、観たから分かる。

「何食べたいの?」

「…カレー…かなぁ。インドカレー。」
ニコッと笑いながら誘ってみた。

「インド?」

貴司は笑っていた。
私も…笑っていた。
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