chocolate
019
勝手に私が決めたことがある。

私は、中西課長を
奥サンの元へ帰すということ。

当たり前の話なのだけれど
引きとめないことを決めた。

どこか「不倫」というものに
対応しようとしている私がいる。

やっぱり私はズルいのだろう。

好きな男性と居れるなら
少し我慢しても居たいから…
だから…もう少し…
このままがいい。

一緒に居れる時間の一瞬…
この一瞬でうんと甘えて
うんとキスして…もっと…居たい。

「亜希、キスしてって言ってみ?」

課長は相変わらずカッコイイ。

何か言われるたび、ドキドキして
何か言われるたび…熱くなる。

「キス…してください…。
…もっと…。」

課長の目にはどう映るんだろう。

…こんなこと聞けないけれど。
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