chocolate
「亜希、やっぱり色っぽくなった。」

貴司とバレンタインデーの夜に
逢っていたら言われた。

「…ありがとう。でも、同じだよ。」

課長には…聞かなかったけれど…
きっと奥サンと一緒に居る。
二人で…仲良しだから、
きっとプレゼントももらっている。

そんな少し胸が痛む日に
貴司が居て、ちょっとほっとする。

私のリクエストでインドカレーのお店。
やっぱりおいしかった。

課長にはもうチョコレイトを渡して、
キスもして…
やっぱり喜んでくれた。

チョコレイトが好きな中西課長と
チョコレイトが嫌いな私。

「そういえば、貴司は甘い…
…チョコレイト好きなの?」

「好きだよ。甘いチョコレイト。」

思わず貴司を見つめた。

貴司の彼女は貴司と逢わなくて
いいのだろうかと思ったけれど
そんなこと聞くのもと躊躇った。
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