chocolate
「好きになった?俺と食べるチョコ。」

貴司の言う言葉が全部
課長が奥サンに言う言葉かもと
錯覚してしまうくらいだった。

でも、返事に困ってしまうくらい
好きになっていたかもしれない。

私は静かに頷いた。

その後も甘さは二人の口に残って
…その甘さを味わうみたいに
ずっと、ずっと…とろけていた。

思わず…貴司のシャツの裾を強く
握ってないと…倒れそうだった。

ソファーに座っているのに。

そんな私を優しく支えながら
ゆっくり貴司は私を倒して…
私の上に覆い被さった。

…貴司の部屋は…天井は…
白いんだなぁとふと思っていた。

髪に優しく触れられると
目を閉じてしまいそうになる。

「貴司、カフェオレおいしかった。」

「チョコのキスは…?」

「…おいしかった…。」
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