chocolate
「なぁ…亜希。…やっぱり、
…アイツはやめといた方がいいよ。」

貴司の言うアイツ…は、課長だった。

「…初めて言われちゃったね。
やめとけって…普通…言うよね。」

貴司は最初、私が課長を好きだと
話した時、ふぅん、としか答えず
その時初めて…キスをしてきた。

責めることも、軽蔑もせず…
私を受け入れてくれていたから。

ぎゅっと抱きしめられて
貴司にゆっくりと
カラダを起こされた。

手を優しく繋いでくれて…
少し様子が変な貴司をみつめた。

この部屋が落ち着くのは
茶色で家具が統一されているとか
茶色の飲み物があるとか
そういうことじゃなく…

貴司が一緒に居るからなのかも
…と繋いだ手のぬくもりと
貴司を観ていて感じた。

貴司は優しい男性なんだ。
…今頃少し、やっと気付いた。

「…アイツの奥サンと…俺…。」
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