夏色の約束。~きみと生きた日々~
スゥーッと深く深呼吸をすると、ほんの一瞬だけ暑さが体から逃げていった気がした。
「なっちゃん」
それからしばらくパラソルの下で涼んでいると、頭上からあおちゃんの声が聞こえてきたから、不思議に思って、
「なぁに?」
って顔を真上に向ける。
「なっちゃん、顔真っ赤じゃん!暑いんじゃない!?」
「え……?」
……あ、確かに暑いかも。
自分で頬を触ってみると、やっぱりいつもより少し熱く感じた。
「早くこれで冷やして!」
手渡されたのは、きんきんに冷えたオレンジジュース。
「ありがとう、あおちゃん」
なつはジュースを受け取ったあと、すぐにその缶を熱くなった頬にあてた。
「うわぁ、冷たくて気持ちいい」
さっきまで心配そうな顔をしてたあおちゃんも、なつのあまりの素早さに驚いたのか、なつを見てクスクス笑ってる。