夏色の約束。~きみと生きた日々~
これからも、なつだけのあおちゃんでいてほしい。
「もう、泣き虫だなぁ。なっちゃんは」
……ねぇ、こんなにも幸せでいいのかな。
世界中の幸せを全部なつがもらっちゃったみたい。
「だって……っ、嬉しくて……」
「……なっちゃんはやっぱり、きれいだね。心まで、きれい」
「……っ、本当に嬉しいの……」
「ははっ、また泣いてる。じゃあそんな泣き虫ななっちゃんに、俺がおまじないをかけてあげるよ」
「……え?」
おまじないって、なに?
不思議に思って俯いていた顔をあげると、急に近づくあおちゃんのきれいな顔。
驚いたなつは、思わず目をきつく閉じた。
そしたら、額になにかやわらかいものが触れる感触。
温かくて、ふわふわしてて……。
「………っ」
しばらくして、それがあおちゃんの唇だと分かった。