夏色の約束。~きみと生きた日々~


───コンコン。


午後5時過ぎ。


なつたちはようやく病院に着き、“高岡碧様”と書かれたプレートの扉をお父さんがノックする。


「あれ……?いないのか?」


でも、あおちゃんのお父さんやお母さんが出てくる気配が全然なくて、不思議に思ったなつはお父さんを押し退けドアに手をかけた。


「こら、菜摘!勝手に開けないの!」


なつを叱るお母さんの声が聞こえたけど、今はそんなことどうでもいいの。


ドアの前で大人しく待ってる時間なんて、いらない。


一分一秒でも早く、あおちゃんに会わせてよ。


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