夏色の約束。~きみと生きた日々~
ドアをガラガラっと開けて病室の中を覗き込むと、一人部屋の中央のベッドに安らかな顔で眠っているあおちゃんがいた。
あ……寝てるんだ……。
なつは静かに、胸を撫で下ろす。
ベッドの近くまで音をたてないように歩み寄ると、なつはスヤスヤと眠っているあおちゃんの顔をジッと眺めた。
「……よかった…」
今ベッドで眠るあおちゃんは、倒れたときみたいに苦しそうな顔をしていない。
腕に刺された点滴がとても痛々しく思えたけど、あおちゃんが苦しそうじゃなくて、本当によかった。