夏色の約束。~きみと生きた日々~
きっとなつが嘘をついてこの部屋まできたって知ったら、お父さんたちは怒るだろうな……。
そう頭では分かってはいたけど、
“あおちゃんの体は大丈夫なのかな”
“いつ退院できるんだろう”
そう考えたら、いてもたってもいられなかった。
頭よりも先に、体が動いちゃったんだ。
……本当に、ごめんなさい。
そんな罪悪感にさいなまれながらも、なつは中の会話が気になってしょうがなくて、息を潜めてもっとドアに耳を寄せた。