夏色の約束。~きみと生きた日々~


「……じゃあ、碧は……っ、もうあと一年しか生きられないってことですか……?」

「……ええ、残念ですが……」

「………っ、そ、んな……」

「我々医療チームも、できる限り最善の手を尽くしますので……」

「う……っ、うぅ……っ」


あおちゃんの、お母さん……?


先生………?


どう聞いても、あおちゃんのお母さんと先生の声だよね……?


じゃあさっきの言葉は、なつの聞き間違いだよね……。


「碧……っ、碧は……まだ、12歳なんですよ……っ?そんな……っ、そんな……」


でも、聞き間違いなんかじゃなかった。


あおちゃんのお母さんが、確かにこのドアの向こうで泣いている。


そんなお母さんを慰める、あおちゃんのお父さんの声が聞こえる。


………待って。


あおちゃんの先生は今、何を言ったの?


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